骨格と呼吸の深い関係

【姿勢が変わると、人生の質が変わる】

私たちは生まれた時から死ぬまで呼吸をしています。
この当たり前すぎる事実を、普段どれほど意識しているでしょうか。

呼吸は、止めようと思わない限り、勝手に続いています。
眠っている間も、ぼーっとしている時も、無意識のうちに私たちの体は呼吸を続けています。

それほどまでに呼吸は【生命そのもの】と言える働きです。

そしてもうひとつ、とても大切な事実があります。
それは【酸素はエネルギー】だということ。

私たちは、食べ物だけで生きているのではありません。
体を動かすエネルギー、心臓を動かすエネルギー、脳を働かせるエネルギー、すべては「酸素」があってこそ作り出されています。

つまり、どれだけ栄養のある食事をしても、どれだけ良いサプリを飲んでも、呼吸が浅く、酸素が十分に取り込めていなければ、
体は本来のパフォーマンスを発揮できないのです。

【呼吸が浅くなる本当の原因は「肺」ではなかった】

「最近、呼吸が浅い気がする」
「深呼吸がうまくできない」
「息を吸っても、胸の上の方しか広がらない」

こう感じているの方はとても多いです。

多くの人は、
「肺が硬くなっているのかな?」
「呼吸筋が弱っているのかな?」
と思いがちですが、実は原因はそこだけではありません。

本当の原因は、骨格のゆがみと姿勢の崩れにあります。

肺は、肋骨という“カゴ”の中に入っています。
この肋骨は、背骨(胸椎)と関節でつながり、
呼吸に合わせて上下・前後・外側に動く構造になっています。

つまり肋骨が自由に動けるかどうかは、背骨と骨盤の状態に大きく左右されるのです。

【背骨が硬いと、肋骨は動けなくなる】

現代人の多くは、スマホ・パソコン・前かがみ姿勢の影響で、
胸椎(背中の背骨)が丸く固まっています。

この状態になると、どうなるでしょうか?

・肋骨が後ろに倒れたまま固まる
・胸郭(肋骨のカゴ)がつぶれる
・横隔膜が下がれなくなる
・肺が十分に膨らめなくなる

結果として、
呼吸は「浅く・速く・苦しい」ものになります。

本人は一生懸命息を吸っているつもりでも、
実際には空気は胸の上の方にしか入っておらず、
本来使われるはずの肺の下部は、ほとんど使われていません。

【骨盤の傾きが、呼吸の質を左右している】

呼吸と骨盤?
一見、関係なさそうに思えますよね。

でも実は、骨盤は呼吸の土台です。

横隔膜は、ドーム状の筋肉で、
肋骨の内側から背骨、そして腰椎の前側まで付着しています。

この横隔膜は、
息を吸うと下に下がり、
息を吐くと上に戻ります。

ところが――
骨盤が後傾していると、
腰椎が丸まり、横隔膜が下がるスペースそのものが失われます。

するとどうなるか。

・お腹に息が入らない
・腹圧がかからない
・体幹が不安定になる
・首や肩の筋肉で呼吸をするようになる

結果、

肩こり・首こり・頭痛・疲労感が慢性化していきます。

【腹圧が入らない体は、どんどん老けていく】

呼吸が浅い体には、もうひとつ大きな問題があります。

それは【腹圧】が入らないということ。

横隔膜、腹横筋、多裂筋、骨盤底筋。
これらは「インナーユニット」と呼ばれ、
呼吸と同時に自動的に働く筋肉たちです。

正しい呼吸ができている人は、
息を吸うたびに自然と腹圧が高まり、
背骨と骨盤が内側から支えられます。

でも、骨格がゆがみ、呼吸が浅くなると――

・腹圧がかからない
・内臓が下垂する
・お腹がぽっこり出る
・腰が反る or 丸まる
・股関節がはまらなくなる

つまり、
体型の崩れは、呼吸の崩れでもあるのです。

【酸素はエネルギー】
だから疲れが抜けない

ここで、もう一度とても大事な言葉を思い出してください。

酸素はエネルギーです。

私たちの体は、酸素を使ってエネルギーを作っています。

酸素がなければ――
・筋肉は動けない
・内臓は働けない
・脳は回らない
・ホルモンも作れない

つまり、
「なんとなく疲れやすい」
「寝ても疲れが取れない」
「やる気が出ない」
という状態は、

年齢のせいでも、
気力のせいでもなく、
**単純に“酸素不足”**の可能性があるのです。

【呼吸を変えたいなら、まず骨格を整える】

多くの人が、
「呼吸を深くしよう」
「腹式呼吸をしよう」
と、呼吸のやり方ばかりを変えようとします。

でも、骨格がつぶれたままでは、
どんなに頑張っても深く呼吸できません。

大切なのは順番です。

① 背骨(特に胸椎)の柔軟性を取り戻す
② 骨盤の傾きを整える
③ 肋骨が動けるスペースを作る
④ 横隔膜が下がれる余白を作る
⑤ その結果、自然に呼吸が深くなる

この順番で整えていくと、
無理に呼吸を意識しなくても、
勝手に深く、ゆっくりした呼吸に変わっていきます。

【呼吸が変わると、人生の質が変わる】

私たちは、
生まれた時から死ぬまで呼吸をしている。

つまり、
呼吸の質は、その人の「人生の質」そのものとも言えます。

・疲れにくい体
・回復しやすい体
・太りにくい体
・老けにくい体
・メンタルが安定する体

これらすべては、骨格と呼吸が整った先にある“結果”です。